最優秀賞 かいばみ賞
大きなもの 除村 美智代 さっきわたしは 道ばたをはう一匹のありを踏みつぶしてしまった わざと踏みつけた訳じゃないのだけれど ありは死んでしまった 小さな小さなあのありより ずっと大きなこのわたし そのわたしよりも大きいあのメタセコイアの木 木より大きな森 森より大きな山 山より大きな青いこの空 わたしたちを見下ろしている この大きな空よりも ずっとずっと果てしなく大きな宇宙 そんな宇宙よりも大きくて重いもの それは命 さっきわたしが踏みつぶしてしまったあの小さなありの命だって わたしたちの命のように どんなものより大切で大きなもの
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人のすぐれた考えにその通りだ、と同感することはやさしいのです。
読む人に、本当にそうなんだなあと深く思わせる考えを、自分の中に芽生えさせ育てあげることこそむつかしいのです。
それができる人はとてもすくないのです。あなたはその一人です。
大きな森、大きな山、大きな空、大きな宇宙、その宇宙よりも大きくて重いあなたの命がこの詩の言葉を育てました。
ありはもちろん、人間を平気で殺す行為が、今も世界で起きています。
私たちの胸は痛みます。
奨励賞 1席 かいばみ賞
素直になれた私 榎田 香織 知らない街・平塚に来た 盲学校に入った 不安だった・・さびしかった 家に帰りたかった 知らない街・平塚に来た 宿舎に入った 不安だった・・いやだった 早く家に帰りたかった ものすごく家が遠くに感じた ものすごく両親が遠くに思えた 知らない学校・盲学校に入った 教室には5人のクラスメイト 白杖をついた男子が 私の肩に手をかけた 思わず振り払った 援助を求めていたのだと あとで気がついた はずかしかった いけない事をしたと思った 私にも役立つ事があると感じた 私を必要とする友人がいると思えた
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あなたの体験と、あなたの気持ちが、じつによく伝わってきます。
「はずかしかった/いけない事をしたと思った」というあなたの気持ち。
自分のことを忘れ、つらいだろう相手のことを考えるあなた。
心のやさしさにうたれました。
奨励賞 2席 かいばみ賞
わたしはねっこなの 樫村 さゆり わたしはいまね、ねっこなの たんぽぽのねっこなの 春のねっこなの 水はつめたくてきもちいいよ 土の中のさんぽもきもちよくて どうして、春はこんなにきもちよくて いいきぶんなのかな 夏のねっこなの つゆの雨ですずしくて きもちがよくて でも真夏のわたしは かれちゃいそうだな 秋のねっこなの ちょっとさむくて ちょっと水がきもちよくて きょうも一日気持いい 冬のねっこなの さむくてもそとはスキーをしたり クリスマスで、ケーキをたべたり プレゼントもらったり 正月におせち料理をたべたり いいなーわたしもぼくも たべたり、お友だちと、さわいだり したいなー
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たんぽぽの根っこがすごす春、夏、秋、冬の様子が書かれています。
知らなかった。こんな気持ちで根っこはいきていたんだ。
これからはたんぽぽを見たら根っこの姿も想像してみます。
奨励賞 3席 かいばみ賞
いのち 浅水 亜耶 私は、まだ、若いから、 生きる意味があります。 今、将来や友情や家の人の事で 悩んでいます。 恋愛のことで 悩んでいる人が 一番多いと聞きました。 そうかな? 私の中身は、子供のまま。 だから、恋愛をするのが 難しいと聞きました。 でも、 友情のことが一番難しい。 それでも、 生きる意味があるんだから、 将来、苦しい事があっても、 楽しみです。
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年令がいくつであっても、私たちには生きる意味があります。
あなたの御両親、おじいちゃん、おばあちゃんには、大切なあなたがいます。
ひとりひとりにその人の「生きる意味って、なに?」ときいてみて下さい。
みんなやさしい顔になると思います。
ぼくの「たい」 北井 浩光 沖縄へ行きたい 沖縄の海が見たい ―ぼくの心もきらきら輝きたいから 大きくなりたい 早く大人になりたい ―子供の時にできなかったいろんな事ができるから 生まれかわりたい 生まれかわって女性になりたい ―お母さんのやさしさがほしいから ぼくの青春にあふれ出る いっぱいの「たい」
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最後の二行を読んで、ただ願い事をならべているのではない北井君の胸のうちを感じました。
この詩を読む君の声が、くり返し聞こえてきます。
チョッピリ 勝田 剛 普通の小学校に入学しました。 視力のことで辛い思いをしました。 遊んだり勉強したり 喜びの方がチョッピリ多く卒業しました。 普通の中学と盲学校の中学部のどちらかと選ばなくてはなりません。 最前列の席でも見えない黒板と 小さな文字でも大きく見える拡大読書機のどちらかを選ばなくてはなりません。 悩んだり まよったり 辛いことがチョッピリ少ない盲学校にしました。 盲学校の舎に入舎しました。 社会見学があり体育祭があり 不安がチョッピリへりました。 自宅から通学するか寄宿舎に入るか どちらかを選ぼうと思います。 勉強する時間がチョッピリふえる寄宿舎を選びました。
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視力の障害のために、盲学校と寄宿舎を選ばなければならなかったことがわかります。
つらかったけれど、その選択が結果的に自分にはよかったというのです。
勝田君には、小学校入学から今までの自分がよく見えています。
言葉使いにチョッピリではないすぐれた表現力を感じます。
特別賞
ぼくの心 宮本 郷史 ぼくの胸には 矢が つきささってるんだ ぐっさりと、ずっと しぶや医院で「入院」って 言われたときからずっと 人間の手じゃ ぬけないんだ 完全退院したとき はじめて ぬけるんだ
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郷史君はこの詩を書いた翌年、小学四年生で亡くなりました。
矢は「ぼくの胸」に突き刺さったけれど、それを見つめる「ぼくの心」は生きていて、この言葉を残しました。矢のあともないあなたの「ぼくの心」は、作品を送って下さったお母さん、御家族の心の中にいつまでも生き続けています。
佳作
くも 中澤 鮎美 空をみた。 くものイルカ、タイ、ヒラメ、 クラゲ、ヒトデ、イソギンチャク、 イカ、タコが ぐにゃぐにゃしていた。 空の水族館が開館した。
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空の水族館が開館しました。青空が目にしみます。
街のあちこちで、見上げている人たちがいます。
いろ 長崎 秀美 土のいろは ちゃいろ 花のいろは むらさき 空のいろは あお かぜのいろは 白 たいようのいろは あか
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沖縄を、那覇市を、秀美さんが全国に色で紹介してくれます。
紫色の花はなんだろう。風の色は白…。
そこに立ってみたいと思う人が、今どんどん生まれています。
空を見上げる 井町 織恵 朝 起きて 空を見上げる 学校へ行く時も 空を見上げる 帰りも 空を見上げる 母さんに怒られたり兄ちゃんと ケンカしたり そんな時 また空を見上げる つらい時 ひまな時 空を見上げる 空を見ていると・・何だか落ち着く 夜 また星空を見ながら 「明日はどんな日になるんかな?」
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五百年も、千年も前から人間は、いいえ何億年も前には恐竜だって空を見上げたかも知れません。「何だか落ち着く」と井町さんはいいます。
空にすんでいるなつかしさ。自分がそこから来たようにも思えて、僕も空を見上げます。
空 見田 幸乃 いろんなことに 制限されてきたけれど 見上げた空がすごく高いから いまなら すべてが叶うような気がした 深呼吸ひとつして 一歩踏み出せば 空に届くような気がした
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気持ちにひと区切り、つきました。この詩がうたう瞬間が、本当にあります。
がんばれ、見田さん。
風のにおい 遠藤 久恵 ねえ、先生 新潟の風っていい風だね 雪のにおいがするよ 長野の風って あまり雪がふらないから いいにおいがしないんだよ ねえ、先生 雪のにおいがする 新潟の風 大好きだよ
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新潟に来て、体がよくなる予感があって、こころの窓が開きました。
あなたに教えられて、先生も同じ窓から、風の中の雪のにおいを味わいます。
えんぴつけずり 須藤 周子 えんぴつけずりはとこ屋さん 丸くなったえんぴつの 頭をけずってくれる。 いらっしゃい。いらっしゃい。 えんぴつけずりのとこ屋だよ。 長いえんぴつ短いえんぴつ みんなみんないらっしゃい。 とんがり頭にしてあげる。 えんぴつけずりはとこ屋さん。
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いせいのいいとこ屋さんが開店しています。
出てくるお客さんは、とても楽しい気分になります。読んでいる僕も。
赤ちゃんが生まれた 仁木 雄一朗 お母さんは七月に赤ちゃんができた ぼくはうれしくてしょうがなかった 二月十二日にやっと生まれた 女の子だった ほっぺがポチャンとしていた すごくかわいくて ぼくは手をのばした 赤ちゃんはぼくの手をにぎった ぼくは赤ちゃんの手がやわらかいと思った 赤ちゃんの手をにぎったとき ぼくはしあわせと思った 赤ちゃんはぼくの顔を見てねむった
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最後の一行を忘れないで下さい。
妹さんが大人になっても、お兄ちゃんがいてくれるからと安心して眠る夜があるかも知れません。ほっぺがポチャンとしていたという表現、ほほえましい。
新しい家 小谷 圭史 夜にピカピカ光る天井をぼくは見た。 天井に蛍光とりょうで 星と月がかいてある。 ぼくが母に 「こんなのがいいよ。」 と言ったからだ。 これがトイレ、 広い場所だ。 便器が大きかった。 お風呂に手すりがついた。 入り口が広かった。 おへやが広かった。 とても動きやすかった。 お風呂の手すりを持ってとびこんだ。 水がかかった。 少しぬるかった、 でも、気持ちよかった。 とても最高な気分だった。
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幸せな小谷君。これほどにしてくれる家族がいるなんて。
読んで僕も最高の気分になりました。
いもうとのあさこ 渡辺 雄斗 あさこは、すぐいぼくる。 あさこは、ぷいっとしらんかおして、 へやから出ていく。 自分のおかしを食べたのに、 ぼくのおかしを食べる。 ぼくはおこる。 あさこはなく。 ぼくはしかられる。 あさこはおかあさんのうしろで、 にやっとわらう。 ぼくは、あさこの方がわるいのにと思う。 でも、またしかられるとわるいので、 しかえしはしない。 どうしてあさこは、 しかられないのかな。 不公平だ。 お兄ちゃんてそんだなあ。
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あさこちゃんは何才なんだろう。おかあさんのうしろでにやっと笑うあたり、なかなか手ごわい。お兄ちゃんの役は、やっぱりそんかも知れない。
*いぼくる・方言。きげんを悪くする意。
198円のペットボトルの安さ 安中 みなみ いっつも、学校から帰る時に、 自動はんばい機がある。 そこの所に、長方形の紙で 「300円でお買得!」 と、買ってくれ!と言うような紙が、 はってある。 でも、自分の心は、こう思う。 「ふん。こんなのよりも、 にいつフードの方がだんぜんお得じゃないか。」 そして、家に帰ると、ドドドドドドドと、 母さんが来て、 「にいつセンターで、ポカリスエットが安いから買いに行くぞ」 と言われ、つれられる。 安売りの所で、わいわいがやがやと、さわいでる。 198円のペットボトルが、ゆれている。 母さんは、ペットボトルが少なかった時、一箱買う。 そして家へ帰って、198円のペットボトルの中身を飲む。 ああ、 やっぱ、198円はうまい。
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同じ品物なら、安く買って飲むほうがずっとおいしい。
中味は同じなのに、何でだろう。安中さんの詩を読むとわかります。
人間の心理です。
私のたんじょう日 関山 知世 私のたんじょう日 自分しか 持っていない とくべつな日 ケーキの ろうそく けしてみた 大人になった 気がした 自分のとくべつな日 私のたんじょう日
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あなたのたんじょう日に何千人、何万人もの人が生まれています。
でもあなたは世界中にたった一人しかいないので、この詩の気持ちがわかります。
おめでとう、あなたのたいせつな日。
冬 坂田 能博 木々達は眠りにつき 春の到来を待っている 大地は白銀に染まる やがて湧き水になり 大地を潤す 僕はこたつにはいって ミカンを食べている 僕は力を蓄えている
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冬、自分は力を蓄えている、という坂田君。
木々も、大地も、こたつに入ってミカンを食べている君も同じことをしているという考え方がおもしろい。
亀 松尾 康史 亀はスローモーションのようにのろのろと歩いている。 のろのろと歩いている。 飛ばない。 走らない。 焦らない。 後へは退かない。 後悔しない。 自分の行きたい方へまっすぐに 歩いている。 亀は重くて堅い甲羅を背負いながら のろのろと歩いている。 のろのろと歩いている。 誰の手助けも受けない。 ひと足、ひと足、力一杯に歩いている。 亀は自分を信じて自分の道をのろのろと歩いている。 のろのろと歩いている。 自分の孤独をちゃんと知っている。 けれども 最後まであきらめず、いつまでもいつまでも歩いている。 広々とした大地に自分の足跡をつけながら歩いている。 亀はのろのろと歩いている。 のろのろと歩いている。
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僕ものろのろとこの詩を読みました。亀の姿は時々松尾君になりました。
ゆっくりでもいい、お互い、歩きつづけましょう。
友達 大河原 恵子 家から離れて 友達とも離れて リハビリのため一人で療護園に入園した 眠れない夜 常夜灯の灯りを見つめている 思い出すのは友達のこと 幼稚園からずっと一緒だった友達 いろいろなことがあって どんなことでも相談できるようになった友達 今どうしているだろう 明日、電話してみよう 訓練に疲れた午後 人気のない部屋の窓から外を見ている 思い出すのは友達のこと 近くの病院にいたころは 何回も来てくれた 電話するたびに元気づけてくれた さびしくて、心細くて 電話をかけたら、いつもの声 がんばれよ はやくもどってこいよ 声をきいているだけで 元気が出てきた 電話なのにただうなずいて やっと言った ありがとう
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小さい時から受験などで競争することばかりだったひとが多いと思います。
この詩を読むと、ほこりをかぶっていた「友達」という言葉を思い出します。
売ったよ 末村 悠 大根売ったよ 大きな声で お金の計算も バッチ グー ぜーんぶ うったよ がまんできないほど うれしい
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とびきり白くて太い大根が目にうかびます。学校の畑で作ったのでしょう。
あなたが熱心に売っている様子が見えてきます。
がまんできないうれしさがみんなにわかります。
入選
「音」 石原 美幸 「あんこうなべ」 市川 裕一 「友達って」 出口 華世子 「春」 岩本 潤也 「無題」 江上 利裕 「ゆき」 大久保 智佳 「友達に」 奥原 健司 「雑草」 小野 厚 「心をとかした光」 笠島 麻子 「トラック」 川邊 雅俊 「卒業(さよなら)のプレリュード」木崎 孝道 「おもいきって進もう」 木村 恵梨 「あなたは、だあれ?」 蔵留 地幸子 「父の日」 黒田 美保 「弟」 小林 勇希 「自信」 近藤 美由紀 「ランニング」 佐川 賢司 「私」 佐藤 あゆみ 「しあわせ」 佐藤 香織 「スキー」 失陸 静也 「模型(自分)」 高橋 健 「いらだち」 高橋 徹 「ぼくのおじいさん」 辻 賢昌 「俺の青春」 中村 浩平 「宝物」 二村 沙誉 「雪がふったら」 畑 淳美 「ふで」 早川 夏月 「傷ついた心を」 細野 佐織 「けしゴム」 吉野 光 「水」 若林 舞衣子
第6回矢沢宰賞の審査を終えて
このたびの審査には北海道から沖繩まで、本当に全国各地からたくさんの作品が寄せられました。この中から特にすぐれた作品をえらび、22編を紹介させていただきます。回を重ねるたびに味わい深い詩がふえており、全国に埋もれている子どもたちの心の声が更に多いことを思います。この賞での審査を通して、私は一人でも多くの彼らと出会えることを願っています。
子どもたちを分けることは許されませんが、普通校に通うと自然の中での発見や感動が言葉になることが多く、行動範囲の広さによるのだろうかと思います。一方、体に生まれた障がいは、多くの人があたり前だと思っている考えを洗いなおしてくれます。彼らが話す体験は、人が忘れている大切なことを気づかせてくれます。見守るだけではなく、何か自立を支えてあげようと思う私たちに、逆に大きなもの、素直な心を、チョッピリではなく深く教えてくれるのです。
今回特別賞として紹介させていただいた作品「ぼくの心」。胸板に手をあてれば、私たちの胸にももう、次第に太くなっていく小さな矢が刺さっていることを気づかせてくれます。
詩に添えられているものに、先生方からの手紙と詩集があります。今回は沖繩県立西崎養護学校の平安名育子先生が、中学部の生徒さん43名と作られた詩集「先生きいて」がとても印象に残りました。長崎秀美さんの詩「いろ」はその中の一編です。国語の授業で「詩集作り」を取り入れられ、詩集を読むとどの生徒の作品も個性と詩心が豊かです。全国の子どもたちを見ていたら、一緒に時間を過ごしておられる先生方の姿が見えてきました。うれしい発見です。次回は一層多くの作品と新しい発見に恵まれることを楽しみにしております。
- 審査員 月岡 一治
上越市出身。国立療養所西新潟病院内科医長。第6回新潟日報文学賞受賞。出版物に「少年-父と子のうた」「夏のうた」(東京花神社)がある。
年ごとの入賞作品のご紹介
回 | 最優秀賞受賞者 | タイトル |
---|---|---|
第1回(平成6年) | 山本 妙 | 本当のこと |
第2回(平成7年) | 山本 妙 | 災害 |
第3回(平成8年) | 高橋 美智子 | 小さな翼をこの空へ |
第4回(平成9年) | 野尻 由依 | 大すきなふくばあ |
第5回(平成10年) | 佐藤 夏希 | お日さまの一日 |
第6回(平成11年) | 除村美智代 | 大きなもの |
第7回(平成12年) | 徳田 健 | ありがとう |
第8回(平成13年) | 井上 朝子 | おくりもの |
第9回(平成14年) | 藪田 みゆき | 今日は一生に一回だけ |
第10回(平成15年) | 日沖 七瀬 | 韓国地下鉄放火事件の悲劇 |
第11回(平成16年) | 佐藤 ななせ | 抱きしめる |
第12回(平成17年) | 髙島 健祐 | えんぴつとけしゴム |
第13回(平成18年) | 濱野 沙苗 | 机の中に |
第14回(平成19年) | 田村 美咲 | おーい!たいようくーん |
第15回(平成20年) | 高橋 菜美 | 空唄 |
第16回(平成21年) | 今津 翼 | 冬景色 |
第17回(平成22年) | 西田 麻里 | 命に感謝 |
第18回(平成23年) | 山谷 圭祐 | 木 |
第19回(平成24年) | 坂井 真唯 | クレヨン |
第20回(平成25年) | 宮嶋和佳奈 | 広い海 |
第21回(平成26年) | 金田一 晴華 | 心樹 |
第22回(平成27年) | 安藤 絵美 | 拝啓 お母さん |
第23回(平成28年) | 宮下 月希 | 大好きな音 |
第24回(平成29年) | 宮下 月希 | 心のトビラ |
第25回(平成30年) | 阿部 圭佑 | ものさし |
第26回(令和元年) | 上田 士稀 | 何かのかけら |
第27回(令和2年) | 宮下 音奏 | 大好きな声 |
第28回(令和3年) | 横田 惇平 | ふくきたる夏休み |
第29回(令和4年) | 野田 惺 | やっと言えた |
第30回(令和5年) | 舘野 絢香 | 気持ちをカタチに 思いを届ける |