第21回矢沢宰賞

第21回矢沢宰賞

最優秀賞 ポプラ賞

「心樹」   金田一 晴華(北海道)

一本の木を頭に思い浮かべてほしい

決して太くはなく、決して高くもなく

若緑の葉を揺らし、草原に凛と佇む木である

その木はたとえ、水を吸えなくとも立っている

その木はたとえ、風を感じられなくとも立っている

その木はたとえ、葉が枯れようとも立っている

その木はたとえ、枝が折れようとも立っている

その木は私の心の木だ

葉や枝を無くした木がそれでもまだ幹を残して立つように、体の何かが欠けていることが心にどう影響しよう

何かに頼ったり、誰かの力で水を与えてもらっても構わない

自ら風を感じることができずとも、傍にいる誰かに代わりに感じてもらえばいい

重要なのはどう立っているかだ

欠けたものを嘆いたり、否定することをやめ、受け入れることさえできたならこの先もっと太く、高くなることができるだろう

日溜まりの海の中

若緑の葉は揺れる

私はこれからも立っていたい

凛々しさと誇りを抱き、広い広い草原で空へ向かって立ち続ける

一本の強い木のように
審査員
審査員

「心樹」という言葉は辞書にはありません。晴華さんの造語でしょう。

造語であって少しもかまいません。詩のなかにあるようにそれは「心の木」のこと。

見かけは立派でないかもしれないが、たとえ水が吸えなくても、逆境にあっても、それらに負けず凛と佇んで自己肯定的に生きつづける強い木のこと。

ときには何かに頼ってもかまわない。そんな木を心のなかにしっかりもつことの大切さ。

その決意と力強さが頼もしい詩です。

奨励賞 ポプラ賞

しずく走   小林  奈央(茨木県)

ちいさなちいさなしずく

ぼくの夢は

おおきな

おおきな

しずくになること

「ねえねえ」

「みんな」

「いっしょに走ろうよ」

「いいよ」

「いっしょに走ろう」

「きみのところに行くから」

「そこにいて」

「よいしょ」

「ア〜レ〜」

「ごめん」

「はなれちゃた」

「きみが来てよ」

「え、ぼくが」

「ぼくは小さいから」

「とてもおそいよ」

「でも、動けばみんなに会えるよ」

「うん動くよ」

「よいしょ」

「よいしょ」

「やあ、こんにちは」

「いっしょに走ろう」

「うん」

「わたしと走ろう」

「うん」

「ぼくとわたしと走ろう」

「うん」

ぼくはどんどん速くなっていた

スースー

「あ〜やっときみの所にこれた」

「よっし走ろう」

「あれ、ぼく大きなしずくになっている」

きづいたらぼくは、

みんなといっしょに走っていた
審査員
審査員

小さなしずくが連なり、それらが走って一緒になったり離れたりしながら、大きくなっていく様子が、歯切れよく快活な会話によって展開しています。

そこに詩を作るすぐれた工夫というか技術が感じられて注目しました。

仲のいいしずくたちは、人間もみんな仲よく走るということの大切さを意味しています。

うんめいのたんじょうび   宮下  月希(新潟県)


今日は、ママのたんじょうび

ママは朝からごちそうの下ごしらえ。

ママは自分で作ってる。

なんでママが自分で?

ママのたんじょうび

そして、おとうとのたんじょうび

ママとおとうとは、同じ日のたんじょうび

生まれた日にちもえとも時こくまで同じ。

ママといっしょうらやましいな

おとうととばっかりうらやましいな

でも、わたしはママとにてる。

考え方も、しゅみもぜーんぶママとにてる。

おとうとがずるいけれど、おとうとは、きっと生まれる日をえらんで、生まれてきたんだ。

この日に生まれなきゃだめだって、よてい日すぎても出てこなくって、早くママがにゅういんしても出てこなくってママと同じたん生日に出てきた。

おとうとが生まれるまでに、ママはすごく大へんでつらいことがいっぱいあったね

つらくて大へんだったママ

そんなママのおなかの中で、きっとおとうとは、ママがかわいそうって見てたと思う。

だから、自分の力で、そしてかみさまが、ママへのプレゼントとして同じたんじょうびに、おとうとを生ませてくれたんだ。

『うんめい』ってことばをさいきん知った。

こう言うことが、『うんめい』だ。

すごいねうんめいって。

たんじょうび、めっちゃん、ママ、同じたんじょうびおめでとう。

ケーキは、いつも一つになったママだけど、いっしょにおいわいできるってステキだよ。

めっちゃんは、ママのたからもの。

ママは、わたしのたからもの

うんめいのたんじょうびステキだね!
審査員
審査員

ママと弟ふたりのたんじょうびがいっしょだということが、「わたし」にはちょっとくやしい。弟はたんじょうびを選んで生まれた、という発想のおもしろさ。

それは神さまからママへのプレゼントであり、「うんめい」とも理解して、最後に「うんめいのたんじょうびステキだね!」と書くお姉さんもステキ。

いつも見てくれる空   野々村  幸帆(大阪府)

私は何者だろう?

私が生まれた時からずっと耳が聞こえない。周りの動きははっきりしているけど、音がないので何を言っているのかわからない。それがこわくて心の中で泣き続けてきた。

二才の時、耳の手術をし、きこえる力をえることができた。それが人工内耳というきかいだ。それをつけることで音がわかるようになった。だが、完全に聞こえるわけではなかった。
人工内耳をつけても相手の言葉がわからない時がいくつもあった。
私と違って聞こえる人は自由にどこまでもいけるが、私にはどうしても自由になってどこまでも行くことができない。
心の中で不安がたくさんたまったからだ。相手に私が言いたい事を伝えられなかった時、人がいない所で声を殺しがまんしながら泣いていた。いつも最後に思うのは、

「私は何のために生まれて来ただろう…。」

ということ。心の中で泣き続けた日、日の光がさしてとてもあたたかかった。
上を向くと大きな空があった。何よりも広く太陽の光がてらしていた。
その光景を見ると、自然に苦しい事をわすれていった。
とても気持ちが良かった。そして、空を見ながら思った。

「空はいつまでも私達の事を見ているかもしれない。それに、大切な人達がそこから見ているかもしれない。私の事を見るときっとおこるだろうな…。私がちゃんとやらないと…。」

私が立った時、さわやかな風が吹いて私をおうえんでもするかのようだった。
なぜか心がスッキリする。これも空のおかげだろうか。
明日はどうなるかわからない。だけど、それでものりこえて行かなければならない。
私が生きるかぎり、空は私達の事を見守っているだろう…。
だから、空にも負けないでがんばろうと決意した。
審査員
審査員

生まれたときから耳が不自由でつらかった。

手術をして少しよくなったけれど、完全ではなく不安で心のなかで泣くこともあった、でも、いつも大きな空や太陽が自分を見おろしているから、ちゃんとしなければならない。

そういう気持ちによって冷静に自分を見つめながら、強い決意として実感されています。

大切な場所   小林  優香(新潟県)


私にはとても大切な場所がある

家の裏にある障害物のなにもない場所だ

早朝に行ってみると

輝き空を明るくさせてゆく太陽が見え、

夕方に行ってみれば

赤、オレンジ、青と数え切れないほどの色が混ざり合った夕焼けが見える。

そして夜に行くと、

星座がハッキリわかる程の星が見える。

行くたびに全く違った景色を、

自然が持ちつくり出す美しい色を、

限りのない大画面で見ることができる。

ビルに消されてしまった風景が、

工場に紛れてしまった空の色が、

いつでもここで見ることができる。

建物が、ビルが、こんなにも綺麗な景色を隠していると思うと、

とても惜しい気持ちになる。

そしてもったいないと思う気持ちになる。

この場所を知っている人が少なくても、

たくさんの人がビルの建ち並ぶ都会にあこがれを持っていても、

この景色は知って欲しいと思う。

春になればその周りには桜が咲くし、

夏になればせみの声が響きわたる。

秋になれば木々は紅葉し、

冬になればまぶしい程に周りは銀色になる。

四季のうつり変わりを楽しみ、

一日の空の変化を楽しめる。

私にとってとても大切な場所だ。

いつまでもこの景色を見ることができるようにしていきたいと強く思う。
審査員
審査員

時代とともに自然の風景が失われていくなかで、家の裏にある何の変哲もない場所に立つと、朝・昼・夕・夜に美しい風景が見られるし、四季それぞれの景色に彩られます。

そんなかけがけえのない自分の場所をもてたことは幸せなことです。

将来どこにいようとも、心にもちつづけてほしい場所でもあります。

アイロンがけ   森  優菜(愛知県)


夏のアイロンがけは大変だ

アイロンが設定温度になるまでにまずせんぷうきをつけよう

ピー !ピー !ピー !

準備が整ったら重いアイロンを持ち上げる

まずえりは小さくて楽チンだ

続いてそではラインがずれないように要注意

身頃は広くて大変だ

父のシャツは大きくて終わりが見えない

おまけにタックがあるとやっかいだ

重いアイロンは細かく動かすことが難しい

途中でシワになるとイヤになる

スプレーをかけてやりなおしだ

みんなのアイロンがけが終わると汗だくだ

ピーンとシワののびたまっ白なシャツをハンガーにかけると気分が良い

「ありがとう」

と言われるのがうれしくて

私は明日も夏のアイロンがけをするのだ
審査員
審査員

夏の暑さ、アイロンの重さ、ここに書かれたアイロンがけのたいへんさは、実際にそれを経験している人だからこそ、ことこまかにテンポよく書くことができたのでしょう。

簡単にできるところもあれば、むずかしいところもあるわけですが、終わって「ありがとう」と言われたときの達成感は格別でしょう。

入選

心花火   石月  悠菜(新潟県)


友達と見る花火は

友情花火

恋人と見る花火は

恋花火

きずなが深ければ深いほど

きれいに見える花火

一人で見る花火は

一人花火

失恋の後に見る花火は

失恋花火

夏の切なさがはかなくも

きれいに見える花火

家族で見る花火は

家族花火

どんな花火より

きれいに見える花火

同じ花火でも

あなたの見え方

私の見え方

自分自身の心で

きっと違う

きっとそれが心花火
審査員
審査員

なるほど花火にも、見方によっていろいろあるという発見。

五種類の花火にうまく名づけました。

その独自性がおもしろく、人それぞれにちがっても、心花火はいいなあ。

わたしのすごろく   安藤  絵美(栃木県)

わたしが生まれたその日

わたしはまっ白な「スタート」に立った

それから今まで一日も欠かさずサイコロをふって出た目をすすんできた

三日ぼうずのこのわたしが

「人生」という名のスケールの大きなすごろく

ときには「3つもどる」のマスに立ったり

「一回休み」のマスに立ったりするけれど

このすごろくのすごさは道がたくさんあること

自分で道をつくっていくんだ

でもたまには迷子になったりくじけたり

暗闇で前が見えなくなったら

手のひらに太陽をかいて照らしてもらおう

小さな石ころにつまずいてしまったら

靴ひもをしばり直してまた挑戦すればいい

今日は調子が良いと思ったら

好きな色のえんぴつで翼を描いて飛びだしてしまおう

スタートラインはみんな同じだけどみんな違う道をゆく

ゴールに立ったとき後悔の無い進み方をしたい

たったひとつのすごろくだから
審査員
審査員

人生はよくすごろくにたとえられます。進んだり、休んだり、戻ったり。

迷うこともあるけれど、あわてずあせらずに、選んだ道を自分に挑戦するようなつもりで進もう。

入院生活   伊藤 真理子(栃木県)

人気で目が覚める毎日朝が早い

寝るのは早くない早いのは消灯だけでなんとなく寝つけない

夜が長く感じる昼も長いけど

昼は回診と処置が終わってしまうととてつもなくひまだ

大好きな先生に会えなくなる先生と居る時間なんてひとにぎりの時間だしあっという間だけど嬉しい

正直回診も処置も手術もどうでもいいしこわくなんかない

自分に利益はあるだろうけど自分のことなのに興味も関心もない

ドクターだってだれだっていいでも今は先生の大切さがわかった

今の主治医の先生が好きです

あえてどんな感情かは考えないけど

若い女の子じゃなくても先生に診てもらってると妬ける

でも先生の良い評価やほめてるのを聞いてると一番嬉しい

自分の知っている情報でも初めて聞くようにきらきらと新鮮に思える

これからもわたしの主治医でありますように

痛いこともこわいことも先生だと思えば何でも嬉しくなってしまう

そのうちこの想いが…
審査員
審査員

入院生活では、大好きな主治医と会えるたとえ短い時間でも、ひそかにうれしい。

先生にたいする微妙な感情の動きがあります。最後の一行「想い」というのは意味深長。

親切なかげさん   三本 梨音(新潟県)

わたしのうしろにいる

かげさん

かなしい時

うれしい時

いつも いつも

そばにいる

親切なかげさん

わたしのとなりにかげさん

ごはんの時となりにいる

かげさん

歩く時

走る時

ずっと ずっと

となりにいる

かげさん

「はぁーはやくおしゃべりしようかげさん。」

「やっとしゃべれたかげさん」

「いつもいつもいっしょにいようね、かげさん。」

あなたのそばにいる親切なかげさん
審査員
審査員

いつもそばにいるのに、ふだんは無視されている影さんに話しかけているところに注目しました。影さんが離れることはないわけだけれど、一緒にいたいやさしい気持ち。

くも   小林 和真(新潟県)


くもはいろんなかたちだ

わにだ さそりだ かめだ

くもにのってみたいな

ぼくはくもにのって

そらをぼうけんしたいな

くもと ともだちに

なってみたいな

くものゆうえんちに

いってみたいな

いっしょに

じぇっとこうすたあで

あそんでみたいな

くもといっしょに

おまつりをしたいな

くもがつくった

わたあめたべてみたいな
審査員
審査員

空にうかぶくものかたちを動物にたとえたり、くもにたいするたくさんのユメや希望を語っていますが、その心がくもにむかって、すなおにひらかれているところがいい。

私の大切な人   中村 百希(大阪府)

私には今とても大切な人がいます。

その人はいつもとてもさわやかで優しいのですが、ときどき

いじわるもしてきます。

でも、私はそんなその人の事が好きです。

私は、意地悪だけど、ときどきやさしくしてくれる、そんな彼に、私は強く惹かれたんだと思います。

それで私は決心してその人に自分の気持ちを伝えました。

けど、その人に

「あなたにはぼくよりもっとすてきな人が現れるよ。」と言われて、

私は「そっか・・・。」と思いました。

でも、私はそれからもその人に手作りの物をあげたりしましたが、ついうっかり

「これいらない物ですけど・・・」と言ってしまい、その人が

「えっ?いらん物なん?じゃオレもらっとくわ。」と言われて、心の中で

「やっちゃったー」と思ってたら、

女の先生二人に

「なにやってんよ!」

「えーあの渡し方あかんわー」と言われて、次は手作りチョコを渡しました。

ドキドキして渡せるかが不安でしたが無事に渡すことができたのでホッとしました。
審査員
審査員

ときどき意地悪もするけれど、好きなその人に気持ちをうちあけた。そっけない返事。

手作りの物を言いちがえて失敗したり、チョコを渡したり、ドキドキ感の連続です。

わたしらしくいたい
   廣中  鈴菜(山口県)

笑いたいのに笑えない

泣きたいのに泣けない

本当はね、みんなのいる前では

笑顔で元気なわたしでいたい

友達

家族

好きな人の前

なぜか自分にうそをついてしまっている

本当は、そういう人たちの前だからこそ

笑ったり

泣いたり

ありのままのわたしを見せてもいいのに……

時々分らなくなるの

ありのままでいたいわたしと

強がっていたいわたし……

二人のわたしがいるの

分ってもらえるかな

これって本当のわたしなのかな… …

でもね、みんながいるから頑張れるよ

元気がないときでもみんなの笑顔でわたしだって笑顔になれるんだ

みんなが大丈夫って声かけてくれるから

「平気かも」って

大丈夫じゃないことが

大丈夫って思えたりするんだよ

だからね

だから

わたしを一人にしないでね

ずっと

ずっと

みんなのそばでわたしらしくいたい
審査員
審査員

「ありのままのわたし」と「強がっているわたし」を見せるのに、戸惑うことは誰にもあります。けれども、みんなの存在や笑顔がわたしの戸惑いを救ってくれるでしょう。

かたつむり   岡宮  輝季(愛媛県)


かたつむりっていいなあ。

ほねがないから

ほねのびょうきにならないもん。

かたつむりっていいなあ。

おうちにいつもいっつもいられるもん。

ぼくは、つき2かいしか

かえれない。

だって、ほねのびょうきだもん。

だから、ぼくはかたつむりになりたい。

そしたらいっぱい

おうちでねれるもん。
審査員
審査員

骨のびょうきにかからないかたつむりがうらやましい。でも骨のないマイナスもあります。

じぶんの家にいるのがうらやましい。びょうきを克服して早くおうちへ帰ろう。

お母さん、ありがとう   石原  莉々子(神奈川県)


私にはアレルギーがある

小麦・たまご・牛にゅう・・・そこにあるだけで

じんましん・ぜんそく・意しき不明

でも、

アレルギーをきらいと思ったことがない

お母さんは、

アレルギーの食材を使わないで

ごはんを作る

とてもおいしい

お母さんは

コップやお皿を洗う

私が食べられない物を食べたお皿も

私が使えるようにきれいにする

安心してコップやお皿を使える

お母さんは

お弁当を作る

のりを私の大好きなスヌーピーの形にしてごはんにのせる

食べられない物がいっぱいあるのに

おいしいおかずを作る

だから

アレルギーをきらいと思ったことがない

いつも思っていたんだけど

いつもなかなかいえなかったんだけど

お母さん

ありがとう
審査員
審査員

アレルギーの莉々子さんのことを考えて、お母さんは工夫した食事や弁当を作ってくれています。「ありがとう」の気持ちを、いつどのようにあらわすかが大事でしょう。

徹夜   内田 理香子(東京都)


初めて徹夜をした

夏休みの宿題が全然終っていなかったからだ

母は怒りっぱなしだ

私がなまけていたからだ

勉強をさぼっていたからだ

おまけにいばっていたからだ

大変なところに父が帰ってきた

助かった!

と思ったら寝てしまった

私も眠い

泣きたい

四時半ごろ、難しいところまでやっと終った

もうあまり眠くない

母と二人で散歩に出かけた

朝になっていた

カラスが鳴いた

コンビニで牛乳と甘いパンを買った

母は「まだ怒ってるからね。」と言った

でもそんなに怖くなかった
審査員
審査員

なまけていて母に怒られた。それで徹夜したことが正直に告白されています。

朝方、一緒に散歩に行っても、「まだ怒ってるからね」という母の言葉には緊張感があります。

えだまめの はなし   坂本  奈々美(大阪府)


えだまめは きょうだいで なかよしです

えだまめは いつも くっついています

でもたまに ひとりぐらしがいます

それなのに 大かぞくはいません

えだまめは だいたい同じ せたけです

まれに 小さいのもいるのに

なぜか せいたかのっぽは いません

だから えだまめは

せいくらべは あまりしません

えだまめは 木のえだの

マンションに すんでいます

みんな えだにしがみついています

はっぱも いっしょに

マンションの じゅう人です

えだまめと はっぱは なかよしです

えだまめは じつはおしゃれです

でも はやりはいつも うすいみどりいろ

これでも おなじふくを 着ています

だから だれがだれだか わかりません

なぜって 顔がないからです
審査員
審査員

えだまめのようすが、こまかくしっかり観察されています。えだまめが好きなんでしょう。

「マンション住まい」しているみたいなようすが、ほほえましく描かれています。

あなたとあたし
   鳥越  由希帆(新潟県)

あなたを見るだけで嬉しくなる

あなたを見るだけで苦しくなる

近づきたいな・・・

だけど

それができなくて もどかしい

生徒玄関であなたを見た

声 掛けてみようかな

心臓の音が聞こえる

「お・・・おはよ」

あなたはこちらを振り向いた

「おはよう」

はにかむあなたの顔が可愛いくて

あたしもつられて 笑った

あなたとあたしのはじまりの日
審査員
審査員

片想い(?)のあたしが、あなたに声をかけようとして心臓ドキドキ……、ためらってようやく声をかけたら返事がもらえた、そのうれしさ。その後はどうなったのかな?

オレは池の主   脇坂 拓真(新潟県)

オレは池の主

なみ一つ立てはしない

音は一つは出るけれど

人の耳では聞こえない

オレは池の主

みんながねむる夜に

オレはこっそり池を出る

朝の六時に池にもどる

オレは池の主

むかしとっくに死んでいて

今は池のたましいだ

十五夜の夜にあらわれる
審査員
審査員

池の主は何ものだろうか。あえてタネあかしせず、読者の想像にまかせているのでしょう。

どんな音をたてるのか、夜に池を出て何をするのか、十五夜……ナゾだらけです。

ごみ   村上 惺南(新潟県)

ごみは「くずいれマーク」にぶんべつしてすてましょう。

また、なげすててはだめです。

「こうえん」「キャンプじょう」でも、しらんかおしてすててはいけません。

「ごみの正しい出しかた」のかみを見て、正しいようび正しいじかんに出しましょう。

ごみのおきばしょにきちんとおきましょう。

ごみしゅうしゅう車の人がふんづけると、たいへんしつれいです。

ごみしゅうしゅう車の人がふくろに入れないといけません。

つかれてかなしいなみだが出ます。

つかえそうな「きれいなはこ」「ペットボトル」などを、すてずにとっておきましょう。

子どもがいればこうさくをしましょう。

まず、どんなものをつくるかかんがえてください。

できあがりのえをかくと、じょうずにできるかもしれません。

そして、できあがったさくひんのおきばしょをかんがえてください。

そのつくりばしょのまわりをきれいにしましょう。

そうしないと、ふんづけたりこわれたりします。

ごみをきれいにつかうと、いいさくひんができます。

「リサイクルこうさくの本」があるいえはそれをみながらでもできます。

『ごみ! がんばれ!!!』
審査員
審査員

ごみにたいするていねいな気持ちがあらわされています。

すてるだけでなく、ハコやペットボトルを子どもが工作につかったり、えをかいたりする、ゴミへの応援歌です。

命   八木  慎一朗(新潟県)

小さな小さな虫の命を

小さなカエルがもらった

小さな小さな虫の命をもらった

小さなカエルの命を

大きなヘビがもらった

小さな小さな虫の命をもらった

小さなカエルの命をもらった

大きなヘビの命を

大きな大きなニワトリがもらった

小さな小さな虫の命をもらった

小さなカエルの命をもらった

大きなヘビの命をもらった

大きな大きなニワトリの命を

ニワトリよりももっと

もっと大きな

人間がもらった

無数の命をもらって生きている

ぼく達人間
審査員
審査員

小さな命を大きいものがもらう、それが順にくり返されるスタイルに工夫があります。

しかも、殺して食べていくことが「もらった」と表現されているところがやさしい。

小さな幸せ   山岸  咲希(新潟県)


わたしの幸せは 小さな幸せ

「いってきます」に「いってらっしゃい」

「ただいま」に「おかえり」が

返ってくる

それがわたしの 小さな幸せ

わたしの幸せは 小さな幸せ

学校で勉強できること

プールで泳げること

友達と遊べること

それがわたしの 小さな幸せ

わたしの幸せは 小さな幸せ

ごはんが食べれること

あたたかいふとんでねむれること

家族といっしょにいられること

それがわたしの 小さな幸せ

わたしは小さな幸せを

少しずつ積んで 生きている

大変なこともあるけれど

小さな幸せがあるならば

わたしはまだまだ

生きていきたい
審査員
審査員

大きくかまえることよりも、素朴なことによってこそ「小さな幸せ」は感じられるはずです。

いたずらに欲張らない。さりげなく身近な幸せが大きな幸せに育つわけです。

すきなひと   佐々木 健也(岩手県)


まことせんせいわらってる

まことせんせいしあわせ

もりあいせんせいよろこんだ

あつしせんせいちょっとぐあいわるい

かなざわせんせいわらってる

しろこせんせいちょっとぐあいわるい

くまがいせんせいしゅくだいをだす

まついりかせんせいあしがいたい

あつひろせんせいまだちょうしわるい

のりこせんせいといれがあかるい

かなせんせいおんがくしつでがっきひく

じんばせんせいはたけでじゃがいもとる

なんじょうゆきせんせいきょうしつではさみできる

かねこせんせいわらってる

なおせんせいわらってる

けいたせんせいよろこんでる

ひさしせんせいわらってる

はなわせんせいほけんしつにいる

くろかわせんせいあしがいたい

あんどうせんせいたいいくかんにいく

だいきせんせいかみづくりする

ゆかりせんせいわらってる

こうちょうせんせいしょくいんしつにいる

みんな みんなすきなひと
審査員
審査員

わらってる、よろこんでる、ぐあいわるい……おおぜいの先生をひとりひとりよく観察しています。すきな先生たちの個性までも楽しく感じられるような気がしてきます。

トマト   石田  耀子(新潟県)


なんでトマトは赤いのかな?

それは太陽になりたいからだよ。

トマトは太陽にあこがれているのさ。

なんでトマトは丸いのかな?

それはボールになりたいからだよ。

トマトはボールになってけられてみたいのさ。

なんでトマトは種類が多いのかな?

それは友達がたくさんだからだよ。

トマトは友達がほしいのさ。

トマトは不思議がいっぱいだ。

おいしいトマトは不思議がいっぱい。

不思議なトマトはおいしさいっぱい。

だからトマトはおいしいんだね。
審査員
審査員

赤くて丸くて種類の多いトマトにたいする想像力が、自由に働いています。

トマトにはおいしさも不思議さもいっぱいあるという発見。きっとトマトが大好きなのでしょう。

心の空   田村  愛那(新潟県)

きのうの空はあまりきれいではなかった

大切な物をなくしてしまったからだ

でも今日の空はきれいだ

大切な物がもどってきたからだ

空は 自分の気もちを表してくれる

雨がふった

やがて雨がやんで にじがでた

大すきなあの子と

手をつないでわたったら

もうけんかしないまほうがかかるのかな

にじのかかった青空の下で

くらくなるまであそんだ

あの時 なくした物を

もう手ばなさないようにしようと思った
審査員
審査員

自分の気持ちによって空はきれいだったり、そうでなかったり、空は見あげる人の心を映しているのでしょう。大好きな子と手をつないで虹を渡るなんてロマンチックだな。

あさがおとはなび   萩原  咲喜(新潟県)

8がつ2にちのあさ

わたしのあさがおは1こもさかなかった

8がつ2にちのよる

わたしはながおかはなびをみにいった

はなびはならんでなかよししたり

うえへうえへきょうそうしたり

とりになってとんだりして

わたしはびっくりした

8がつ3にちのあさ

わたしのあさがおはたくさんさいた

はじめて9こさいた

あさがおもはなびをみて

びっくりしてまねしたのかな
審査員
審査員

一つしか咲かなかったあさがおが、長岡のはなびを見てたのしんだあくる朝に、たくさん咲いてよかったね。はなびがさまざまにあがるようすが、うまく書かれています。

心の空   佐藤 敦(秋田県)

心が雨の日は

ほほを涙が伝うときもある

急がず 焦らず

大きな木の下で

雨宿りをしていこう

心がくもりの日は

笑顔になれない日もある

悩みながら もがきながら

信じる道を

ゆっくり歩いていこう

心が晴れの日は

満天の笑顔になる

立ち止まらず 前を向き

大好きな道を走っていこう

夢に向かって走っていこう
審査員
審査員

心が雨だったり、くもりだったり、晴れだったりすると、自分の表情もそれにつれてちがうわけです。悩みながらも急がずに、いつでも夢に向かって走る事が大切です。

空   古川  愛莉(神奈川県)

空は人間と似てて

気持ちがあるんだ

ほら 空を見上げて

空が真っ青で

太陽の光を浴びて

空は笑っているんだ

ほら 空を見上げて

空が真っ白で

ぽつんと涙のように

空が悲しんでいるんだ

ほら 空を見上げて

真っ白な雲は

うろこの形が作ってる

空が楽しんでいるんだ

ほら 空を見上げて

ねずみ色と黒い色をまぜた色

広がって雷も鳴ってる

空が怒っているんだ

ほら 空を見上げて

きれいな七つの色

クレヨンで描いたように

空が喜んでいるんだ

ほら 空を見上げて

真っ暗できらきらと

輝いている星が夢のよう

空が眠っているんだ

空は人間と似てて

気持ちだってあるさ
審査員
審査員

空も笑ったり悲しんだり眠ったりすることに気づいて、愛莉さんは想像力を広げている、そこがこの詩の生命。人間と同じく空にも気持ちの変化があるという大事な発見です。

泣きすぎの人生   棲井 良志望(新潟県)

母のお腹の中からとり出された時

私は泣いた

初めての空気の冷たさにおどろいて

五才の時 外で転んで

私は泣いた

ひざからの赤い血がこわくて

映画を見て泣いた

失恋して泣いた

友だちに悪口を言われて泣いた

いじめられて泣いた 泣いた  泣いた

泣いた すべてが私に牙を向き

私を苦しめる

それでもこの人生を 泣き虫な私は毎日を生きていきたい  生きていくんだ

前を向いていくから
審査員
審査員

生まれたときからずっと泣き虫の自分を、泣いた、泣いた、と表現しています。

でも、たくさん泣いたあとには、笑ったり喜んだりいろいろしよう。それこそが人生です。

いつだって、どこだって   與語  一将(愛知県)

この世界で僕は一人なの?

この世界はいつかなくなるの?

いなくなったみんなはどこへいくの?

ひとりじゃない、きっと

僕らはどこかでつながっている

いつだって、どこだって

一人はさみしい

一人じゃいやだ

きっと

つながっている

一人じゃない、ばらばらじゃない

僕らはどこかでつながっている

いつだって、どこだって

いつだって、どこだって
審査員
審査員

自分を「ひとりぼっち」と感じることは誰にもあるでしょう。じつはそうではなくて、人間はいつだってどんなかたちであれつながっています。ばらばらではありません。

いいな
   柴田  望音(熊本県)

馬はいいな

だって速く走れるんだもん

五十メートル走とか余裕だろうなぁ

鳥はいいな

だって空を自由に飛び回れるもん

きっと気持ちがいいだろうなぁ

魚はいいな

だって海の中をスイスイ泳げるもん

海の中は楽しいだろうなぁ

風はいいな

だっていろんな所をかけ巡れるもん

外国とかにもいけるんだろうなぁ

山や海はいいな

だっていろんな生き物たちが

一緒にいるもん

お話したりしてるんだろうなぁ

でもね

やっぱり人間がいいな

だって笑ったり泣いたり

怒ったり感動したり

誰かを愛したり愛されたり

その時その時の感情を

言葉や豊かな表情で

表わせるのは人間だけだから

みんないいけど

やっぱり一番人間がいいなぁ
審査員
審査員

馬も鳥も……それぞれ固有な能力をもっていて、私たちはそれを羨ましいと思います。

人間もすぐれた能力をもっていることを確認し、一番人間がいいという結論が出た。

そら   高山  季良(新潟県)

そらは とてもきれいだ

そらをみると こころがきもちよくなるんだ

わたしは そらがすきみんながだいすきって

みんながだいすきってこころでいうんだ

みんなのこころは そらみたいにおおきいこころだ

きもちのいいそらありがとう

おともだちもそらがすきかな

おおきいそらのしたで

みんなであそびたいな

しろいくもは わたあめみたいで

おいしそう

おそらはいいな だいすきだ
審査員
審査員

そらがだいすきだというすなおな詩です。そらのおおきさが人のきもちをよくします。

そらにうかぶしろいくもがおいしそうだから、いっそうそらがすきになったんだね。

氷の山   村山  未華(新潟県)

ぼくは氷の山をつくる

ぼくのうでを回すと 雪がつもる

ぼくはどんなにがんばっても

ぼくがどんなにはたらいても

雪の山はスプーンに おそわれて

すぐに 消えてなくなる

ぼくは一度でいい だから

とけない山を つくりたい

それがぼくの

ぼくの夢だ
審査員
審査員

「ぼく」はかき氷をつくる機械。暑い日にどんなにがんばってかき氷をつくっても、スプーンですぐ崩されてしまう。だから「とけない山」をつくってみたい気持ちになる。

lovE   加藤  心咲(愛知県)

ちはるちゃんと、

なかよしでいたい。

でも、

ときどきけんかになっちゃう。

けんかをしたくない。

でも、あやまれない。

だから

けんかにならないように

お口にシーチャック。

心は、なかよし。

これで、lovE。
審査員
審査員

どんななかよしでもけんかをすることは、だれにもあります。あやまれないこともあります。

口はわざわいのもとだから、シーチャックするって、なるほどそれもいいかな。

にじのくに   大崎  千鶴(新潟県)

にじのくに

ゆめでもいいからいきたいな

にじいろコップに にじいろうさぎ

ぜんぶ、にじいろおおにぎわい

あめがふると にじがキラキラひかる

かぞくみんなでにじのくにに  いきたいな
審査員
審査員

うつくしいにじのくにには、だれだっておとなだって行きたくなります。かぞくみんなで行けたらすばらしいでしょう。コップもうさぎもかぞくも、すべてがにじいろ!

なぜだろう   張戸 怜史(新潟県)

なぜだろう

えんぴつをもつと

あたまがいたくなる

きょうかしょをもつと

あたまがいたくなる

ノートをもつと

あたまがいたくなる

なぜだろう

ぼくには、

ようかいがとりついているのかな。
審査員
審査員

えんぴつやきょうかしょをもつと、あたまがいたくなるって、困ったびょうきだなあ。

怜史くんは「ようかい」などとトボケていますが、どこかにそんな人がいるかもね。

心

     大平  颯真(新潟県)

心は不思議だ

温かくなったり

冷たくなったり

思いも左右する

ああまるで

ふらついているてんびんのように
審査員
審査員

本当に心はどこまで不思議なのでしょうか? 自分の心さえどうにもならないときがあります。「ふらついているてんびん」というたとえは適切で、納得させられました。

すごく熱かったよさこい   大塩  海斗(新潟県)

よさこいをしている時

足の裏がすごく熱かった

足が地面に着かないように

バタバタしてた。

みんながしていた

地域の人たちに

よろこんでもらえて

うれしかった。

拍手がたくさん聞こえた。
審査員
審査員

「よさこい」を踊った経験ですね。激しい踊りだから足の裏ばかりでなく、身も心もみんな熱くなったにちがいありません。喜んだ人たちの拍手も熱かったことでしょう。

第21回矢沢宰賞の審査を終えて

本年6月に見附市図書館で、私は「矢沢宰の詩を読む」という講座の講師を3回つとめました。その際、36名のおとなの受講者全員に詩を書いてもらって講評しました。ふだん詩を書いたことのないみなさんは最初戸惑っていましたが、全員残らず書いてくださり、その眼は輝いていました。この体験、受講者は照れながらもうれしそうでした。矢沢宰賞に応募されるみなさんの厳しさとうれしさを、彼らにも体験してほしいというもくろみもありました。

〈詩を書く心〉は、年齢も性別も地域も関係ありません。同等です。小学1年生と中学3年生の考え方や感性にちがいはもちろんあっても、〈詩を書く心〉に大差はないはずです。詩でも美術でも、低学年は感性がのびやかに躍動しているけれど、高学年の作品は思考が妙に邪魔してのびやかさを欠く、という傾向は一般的にあります。そのへんにむずかしい問題がひそんでいることもあります。

選考をお引受けした5年前の選考後の評に、私は次のように書きました。「将来の未知の時間がたっぷり約束されているみなさんのことばの一粒一粒は、自分の呼吸を裏切ることなく輝いています。ことばの一粒一粒をゆさぶり起こし、ていねいに磨く行為こそが詩作です」─ この考え方は今も変わりません。このことは感性や思考を超えて言えることです。何らかの理由で汚れていたり、曇っていたりすることばも、ていねいに真剣に磨けば輝きを放つこと、これを忘れてはなりません。

詩は真新しいことばや、いたずらに新奇なことばをならべたてることではなく、自分なりの磨き方でことばに生命を与えることが、何よりも重要な作業であると言えます。

今回は629編の応募作のすべてにじっくり向き合いました。いわば幸せの独占です。表彰式で未知のみなさんにお会いできるのが、いつも楽しみであり、私のほうがみなさん以上に興奮しています。

今回、残念ながら選にもれた人たちにも、ありがとう!

  • 審査員 八木 忠栄
    1941年見附市生まれ。日大芸術学部卒。
    「現代詩手帳」編集長、銀座セゾン劇場総支配人を歴任。
    現在、個人誌「いちばん寒い場所」主宰。日本現代詩人会理事。青山女子短大講師。
    詩集「きんにくの唄」「八木忠栄詩集」「雲の縁側」(現代詩花椿賞)他多数、エッセイ集「詩人漂流ノート」「落語新時代」他、句集「雪やまず」「身体論」(吟遊俳句賞)。

年ごとの入賞作品のご紹介

最優秀賞受賞者タイトル
第1回(平成6年)山本 妙本当のこと 
第2回(平成7年)山本 妙災害
第3回(平成8年)高橋 美智子小さな翼をこの空へ
第4回(平成9年)野尻 由依大すきなふくばあ
第5回(平成10年)佐藤 夏希お日さまの一日
第6回(平成11年)除村美智代大きなもの
第7回(平成12年)徳田 健ありがとう
第8回(平成13年)井上 朝子おくりもの 
第9回(平成14年)藪田 みゆき今日は一生に一回だけ 
第10回(平成15年)日沖 七瀬韓国地下鉄放火事件の悲劇
第11回(平成16年)佐藤 ななせ抱きしめる
第12回(平成17年)髙島 健祐えんぴつとけしゴム
第13回(平成18年)濱野 沙苗机の中に
第14回(平成19年)田村 美咲おーい!たいようくーん
第15回(平成20年)高橋 菜美空唄
第16回(平成21年)今津 翼冬景色
第17回(平成22年)西田 麻里命に感謝
第18回(平成23年)山谷 圭祐
第19回(平成24年)坂井 真唯クレヨン
第20回(平成25年宮嶋和佳奈広い海
第21回(平成26年)金田一 晴華心樹
第22回(平成27年)安藤 絵美拝啓 お母さん
第23回(平成28年)宮下 月希大好きな音
第24回(平成29年)宮下 月希心のトビラ
第25回(平成30年)阿部 圭佑ものさし
第26回(令和元年)上田 士稀何かのかけら
第27回(令和2年)宮下 音奏大好きな声
第28回(令和3年)横田 惇平ふくきたる夏休み
第29回(令和4年)野田 惺やっと言えた
第30回(令和5年)舘野 絢香気持ちをカタチに 思いを届ける